「創業守成孰難」
なかなか新年のご挨拶ができない年始でした。
令和6年の能登半島地震も今だ余震が続く中、これ以上災害が拡大しないよう祈るばかりです。
復旧活動を優先し、現状で我々のできることを精査させていただき、微力ながらですが復興ご協力させていただきたい所存です。
2024年が始まりました
新年初日、社員への挨拶の内容の一部に紹介させていただいた「創業守成孰難」
多くの経営者が座右の書としてきた「貞観政要」 の中にある有名な言葉で、
このような年明けでしたが、先代が昨年死去したこともあり会社の立場として選びました。
中国唐時代の国王太宗が「創業」と「守成」どちらが難しいのかを2人の忠臣にといかけます
一人は天下を取る(事業を始める)には大変な苦労があり、当然「創業」することの方が困難であると
もう一人は、天下を取った後(事業を守り続ける事)は人々の怠慢から色々問題が生じ衰退するから、守り続け成長する「守成」が困難であると・・・
どちらの部下の意見もごもっともで比べることではありませんが、議論が白熱します。
その時、国王 太宗が仲裁に入りこう言います
『どちらの意見も正しい、しかし今は国が成り立ち、「創業」の困難は過ぎ去ったので、我々は「守成」と答えるべきであろう』と取りまとめたといいます。 昔話ですので盛ってるかもですが(笑)
今や創業者は参画していない当社において、先代が作り上げた技術や製品、モノづくりのマインドを時代に呼応しながら守りつづけることが私や従業員の職責です。この国は高度成長の蜃気楼から抜け出せず、その世代の方々の思いとは異なり、我々の世代は多くの負の遺産に向き合わねばならないのが現実です。
桃園の誓いを忘れ、皆にいつからか怠慢やらおごりが生まれるのはいつの時代も同じ事でなのでしょう。
これまで同様、創業の困難は理解しつつ、ただそれに固執することなく守成を心掛け、弊社製品をご愛顧いただいているお客様に最善のサービスと製品の提供を努めてまいります。加えて自社の発展はもちろんの事ですが、業界や釣りそのものが衰退しても意味がないことですので、さらに釣りの繁栄に寄与できるように関係団体と共創し企業活動を行いたいと考えております。
また今回同様、日本で活動する以上、常に災害にも向き合わなければなりません。
創業から4代目、私どもが「家業から企業へ」の転換を目指す中の取り組みとして業界外への社会貢献がございます。
社長就任後から辛いときこそ助け合えるよう、災害支援等を続けたことで日本赤十字社からは「金色有功章」を頂く事ができました。
まだまだ経営者としても半人前ですが、少しでも社会から認めていただける企業になったのも、当社の経営理念を理解し支持していただけるステークホルダーの皆様のおかげです。
また弊社では製造上、熱処理を行うためどうしても排出されるCO2の対策が必要でした。
昨年、自社発電設備を設置、ついに自社内におけるカーボンニュートラルを実現し、製造業の課題である温暖化対策も行っています。
所詮、釣具の小さい製造会社ですが、我々の企業活動が釣りの発展から社会貢献までにつながるよう、社員一同尽力いたしますので、何卒、本年も倍旧のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。